SPXLの長期保有はやめたほうがいい?理由や配当利回りについて解説

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SPXLの長期保有はやめたほうがいいのか?その理由や配当利回り、SPXLのメリット・デメリットについて初心者向けにわかりやすく解説します!

SPXLとは

SPXL(正式名称:Direxion デイリーS&P500ブル3倍 ETF)は、S&P500という株価指数に連動するインデックス型のETFです。

ETFとは、上場投資信託と呼ばれる投資信託の一種で、証券取引所で取引される投資信託となっています。

ETFの特徴としては、投資信託に比べて手数料が低い傾向にあることや、リアルタイムでの注文が出来るといった点が挙げられます。

ETFについて詳しく知りたい方は以下の記事をどうぞ!

SPXLの特徴としては、SPXLはS&P500の3倍の値動きを目指すレバレッジ型ETFであるという点が挙げられます。

S&P500とは

S&P500というのは、米国を代表するおよそ500企業の株式で構成される株価指数です。

株価指数というのは、一言で表すと様々な株価を特定の計算方法によって数値化したものになります。

S&P500は、ニューヨーク証券取引所やNASDAQといった米国を代表する株式市場に上場している代表的な500銘柄時価総額加重平均することで算出されます。

いわば、株価指数というのは特殊な方法で計算された株価の平均値といえます。

もちろん、ただ単純に株価の平均値ではなく、株価指数は特定の計算方法に基づいて導き出されるのですが、イメージとしては株価指数は”たくさんの株価の特殊な平均値“と考えて良いでしょう。

レバレッジ型ETFとは

レバレッジ型ETFとは、一定の株価指数に正の倍数をかけた指数に連動した運用成果を目指すETFです。

通常のインデックス型のETFの場合、一定の株価指数と同じ動きをするように銘柄の組み合わせが決定されます。

ですがレバレッジ型ETFでは、株価指数の動きの数倍の値動きを目指すため、通常のインデックス型のETFに比べて期待される利益が大きくなります。

例えば、ある株価指数が1年間で10%上昇したとき、通常のインデックス型のETFの場合だと価格は指数と同じように1年間で10%上昇することになりますが、レバレッジ2倍のETFの場合だと価格は同期間で20%上昇することになります。

SPXLはレバレッジ3倍のETFとなっているため、S&P500に連動する通常のETFの3倍の値動きが期待できます。

SPXLの配当利回り

アメリカの大手情報サービス会社であるBloombergによると、2024年5月21日時点でのSPXLの分配金利回りは1.16%となっています。

これは、他の米国株ETFと比較すると低い水準となっています。

以下で、他の米国株ETFの分配金利回りの例を挙げてみました(2024年5月21日時点)(Bloomberg参照)。

ETF分配金利回り
QYLD11.16%
PFF6.05%
SPYD3.62%
BND3.58%
JEPI6.83%
HDV3.00%
VTI1.39%
VIG1.68%
QQQ0.5%
VYM2.17%

上記の通り、SPXLの分配金利回りは他のETFと比較して低いことが分かります。特にQYLDとは分配金利回りに約10%も差があります

上記の高分配ETFについて詳しく知りたい方は以下の記事をどうぞ!


SPXLを長期保有するデメリットとは

急激な価格下落リスクがある

SPXLを長期間保有する場合、急激な価格下落リスクに注意する必要があります。

先述した通りSPXLはレバレッジ3倍のETFであるため、S&P500が上昇した場合、SPXLの価格の上昇率も通常のETFの3倍となります。

ですがその一方で、S&P500が下落した場合はSPXLの価格の下落率3倍になってしまいます

実際、現時点でのSPXLの1年間のトータルリターンはかなり大きい(下記で説明)ですが、常にそうであるわけではなく、トータルリターンが大きく減少してしまうこともあります。

長期的な運用をする場合、短期間で大きな利益を出すよりも長期間にわたって着実に利益を上げていく方が安定した運用が目指せます。

SPXLといったレバレッジ型のETFは価格の変動率が大きいため、長期間の保有には向いていないと思われます。

経費率が高い

ETFを運用する場合、保有している期間に経費(手数料)を支払う必要があります。

アメリカの大手情報サービス会社であるBloombergによると、2024年5月20日時点でのSPXLの経費率は価格の0.91%となっています。

これは、他の米国株ETFと比較してかなり高い水準となっています。

以下で、他の米国株ETFの経費率の例を紹介しておきます(2024年5月21日時点)(Bloombergで算出された数値を使用しています)。

ETF経費率
QYLD0.61%
PFF0.46%
SPYD0.07%
BND0.03%
JEPI0.35%
HDV0.08%
VTI0.03%
VIG0.06%
QQQ0.2%
VYM0.06%

このように、SPXLの経費率は上記したすべての米国株ETFの経費率を上回っています。

長期的に運用していく上では経費率の違いによって利益にかなりの差が出てしまうため、経費率が高いことは大きなデメリットとなってしまいます。

経費率が低いETFについて詳しく知りたい方は以下の記事をどうぞ!

SPXLのメリット

大きな利益が期待できる

SPXLのメリットは、利益率が高いことです。

実際、Bloombergによると、2024年5月21日時点でのSPXLの直近1年間のトータルリターン(分配金やキャピタルゲインを合計した利益)は驚異の79.7%となっています。

これはつまり、100万円をSPXLに投資した場合にわずか1年間で約80万円もの利益を得るということになります。

以下で、他の米国株ETFの1年間のトータルリターンの上位例を挙げました(2024年5月21日時点)(Bloomberg参照)。

ETF1年間のトータルリターン
QQQ36.08%
QYLD13.16%
PFF12.68%
SPYD20.00%
JEPI12.53%
HDV16.33%
VTI28.25%
VIG19.63%

このように、SPXLの1年間のトータルリターンは他の米国株ETFと比較して非常に高くなっています。

しかし、上記した通りレバレッジ型ETFは価格の変動幅がとても大きいので、常にこのようなリターンが得られるわけではないことには注意が必要です。

分散投資ができる

分散投資とは、様々な銘柄の資産に投資をすることでリスクを分散させて投資をすることをいいます。

例えば、

・1つの銘柄だけではなく、様々な銘柄の株式を買う
・株式だけでなく、債券などにも投資をする

ことが挙げられます。

こうすることで、たとえある特定の銘柄が減配されたり、その銘柄を発行している企業が債務不履行に陥ってしまったとしても、それによる影響を小さくすることが出来ます。

SPXLはS&P500の500銘柄で構成される(500銘柄を少額づつ購入する)ETFなので、リスク分散効果は高いと考えられます。

【結論】SPXLの長期保有がやめたほうがいいのか

結論としては、SPXLの長期保有はあまりおすすめされないでしょう。

SPXLはレバレッジ型ETFなので、連動する株価指数が上昇したときの利益率はかなり高いですが、その反面指数が下落した時の価格の下落率もかなり高くなってしまいます。

そのため、SPXLはどちらかといえば短期間で大きなリターンを求める場合に有利となるETFであるといえるでしょう。

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