50歳の独身男性がアーリーリタイアをするために必要な貯金・資産額はいくら?1億円が必要になる?初心者向けに詳しく解説します!
アーリーリタイアとは
アーリーリタイアとは、定年退職を迎える前に仕事を退職することを指し、「早期退職」と呼ばれることもあります。
アーリーリタイアをする場合は、一般的に退職するまでに十分な資産を形成し、退職後はその資産を切り崩して生活していくことになります。
価値観が多様化している現代において、アーリーリタイアはますます注目されている生き方の一つになります。
50歳独身男性がアーリーリタイアをするメリット
まず、50歳独身男性がアーリーリタイアをすることのメリットをいくつか紹介します。
好きなことに時間を使える
アーリーリタイアをする一番のメリットといえば、やはり自由時間が増えることでしょう。
これまで仕事のために使っていた時間がすべてフリーになるので、より一層自分の趣味などの好きなことに時間を割くことが出来ます。
ストレスが減る
アーリーリタイアをすることで、仕事のストレスから解放されます。
仕事は、仕事内容や職場での人間関係、睡眠不足といったように多くのストレス源となり得ます。
アーリーリタイアに成功すれば、日常におけるストレスがかなり改善されるのではないでしょうか。
50歳独身男性がアーリーリタイアをするデメリット
生きがいを失う可能性がある
仕事を早期退職することで、生きがいを失ってしまう可能性があります。
一日の労働時間が8時間であるとすると、仕事は平日の1/3を占める大きなイベントになります。残業時間を含めるとさらに大きな割合を占めることになります。
そのため、特にやりたいことが無い状態で突然その時間がフリーになると、暇な時間が多くなりすぎてしまって嫌悪感を感じてしまうことがあるかもしれません。
ですので、アーリーリタイアに挑戦する場合はその後の人生でやりたいことをあらかじめ考えておくことも大切になるでしょう。
結婚が困難になる
独身の状態で必要な生活費を想定してアーリーリタイアをした場合、アーリーリタイア後に結婚をすることはかなり困難になってしまいます。
なぜなら、アーリーリタイア後に結婚をしてしまうと生活費が想定よりも大きく上回ってしまうからです。
それに加えて、子供を持つと生活費に加えて教育にも多額のお金が必要になります。
奥さんが結婚後も仕事を続けるのであれば可能である場合もあるのかもしれませんが、奥さんや子供に何かあった場合のことを考慮する場合、アーリーリタイア後の結婚はかなりのリスクを伴うことになると考えられます。
万が一の事態のリスクがある
アーリーリタイアをする際には、万が一の事態のリスクを確認する必要があります。
例えば、アーリーリタイア後に病気にかかってしまい、多額の手術費用や入院費用が必要になった場合、思い描いていた生活が出来なくなる可能性があります。
また、地震などの災害による損害リスクなどにも備えておく方が良いでしょう。
このように、アーリーリタイアをする場合は想定外の事態が起こったときのことを考えておく必要があります。
50歳独身男性のアーリーリタイアに必要な資産額は?
続いて、50歳独身の男性がアーリーリタイアをする際に必要な資産額を計算していきます。
このシミュレーションの条件は以下の通りです。
・一か月の生活費ごとに、必要な資産額を計算
・退職時の早期退職金と、65歳からの公的年金も資産額に加算する
・退職時から85歳まで生きるとする
まずは、早期退職金と年金について解説します。
早期退職金
早期退職とは、定年前に退職を希望する社員が自主的に退職できる制度のことで、その際に受け取ることが出来るのが早期退職金です。
以下が、平成30年度実施の就労条件総合調査に基づいて作成した、大学・大学院卒で管理・事務・技術職の自己都合退職者の早期退職金の平均額をまとめた表です。
なお、縦軸を勤続年数、横軸を企業規模とします。
1,000人以上 | 300~999人 | 100~299人 | 30~99人 | |
20年~24年 | 901万円 | 819万円 | 430万円 | 852万円 |
25年~29年 | 1,732万円 | 1,101万円 | 833万円 | 700万円 |
30年~34年 | 2,393万円 | 1,364万円 | 1,136万円 | 不明 |
35年以上 | 2,270万円 | 2,091万円 | 1,629万円 | 不明 |
今回のシミュレーションでは新卒から50歳で早期退職をすることを想定するため、早期退職金を1,000万円と仮定して資産額に加算します。
年金
年金には国民年金と厚生年金があり、早期退職した場合でも条件を満たしていれば65歳から年金を受給することが出来ます。
また国民年金の場合は、早期退職した場合でも60歳になるまでは保険料を支払い続ける必要があります。
令和4年度末時点において、国民年金と厚生年金を合わせた老齢年金の一か月平均受給額は約14万4,000円となっています。(参照:令和4年度厚生年金保険・国民年金事業の概況)
そのため、今回のシミュレーションでは65歳から85歳までの総年金受給額を3,500万円と仮定して資産額に加算します。
50歳独身男性がアーリーリタイアをするシミュレーション
それでは、実際に50歳独身男性がアーリーリタイアをする場合のシミュレーションを行います。
結果は、以下の通りとなります。
一か月の生活費 | 必要な資産額 |
10万円 | 800万円(年金受給は65歳に開始することから、50歳から65歳までの早期退職金の不足分を計算) |
15万円 | 1,800万円 |
20万円 | 3,900万円 |
25万円 | 6,000万円 |
30万円 | 8,100万円 |
35万円 | 1億200万円 |
40万円 | 1億2,300万円 |
45万円 | 1億4,400万円 |
50万円 | 1億6,500万円 |
50歳独身男性のアーリーリタイアは現実的なのか?
シミュレーションの結果を考慮する場合、50歳独身男性のアーリーリタイアは困難であると考えられます。
現実的に考える場合、生活費に加えて娯楽などを加味すると1か月で25万円ほどは必要になるのではないかと考えられます。
この場合、50歳までに約6,000万円の資産を形成する必要がありますが、そのためには単純計算で22歳から毎月約18万円を貯金し続ける必要があるのです。
このことから、50歳でのアーリーリタイアを成功させるためには以下で挙げるポイントが重要になります。
50歳独身男性のアーリーリタイアにおけるポイント
資産運用をする
資産運用をすることでより効率的に資産を増やしていくことが出来ます。
先述した通り、50歳時点で6,000万円の資産を形成するためには月約18万円を貯金し続ける必要がありますが、これは非常に困難です。
そのため、貯金に加えて資産運用をすることでかなり目標達成に近づくと考えられます。
具体的な資産運用の例は以下になります。
・株式
・投資信託
・上場投資信託(ETF)
・不動産投資信託(J-REIT)
・個人向け債券
また、アーリーリタイアをした後も資産運用を続けることで、資産の減りを少なくする、もしくは資産を増やしていくことも可能となります。
新NISAの活用
新NISAとは、株式や投資信託の配当金・分配金や売却益が非課税になるという制度です。
通常の口座で投資を行った場合、配当金・分配金や売却益には20.315%が課税されます。しかし、新NISAを活用することでそれらが非課税となるため、新NISAは投資家にとって非常に便利な制度となっています。
新NISAはつみたて投資枠と成長投資枠に分かれており、それぞれで対象となる金融商品が異なります
新NISAでは、従来のNISAとは異なり非課税保有期間が無制限となったり、非課税保有限度額が増大するなど、投資家にとってより活用しやすい制度となっています。
先述した通り資産運用を行うのであれば、新NISAの活用は強くおすすめされます。
支出を減らす
貯金や資産運用に加えて、支出を減らすことも大切なポイントとなります。
資産運用はリスクを伴いますが、支出を減らすことは貯金と同様にリスクを伴いません。
生命保険の見直しや、家賃の低い物件への引っ越しなども効果的になるでしょう。
50歳独身男性でのアーリーリタイアは可能か?1億円は必要?
結論として、50歳独身男性のアーリーリタイアには1億円の資産形成は不要かもしれませんが、それでもかなりの資産形成が必要になることが予想されます。
ですが、先述したポイントなどを意識すれば不可能ではないと考えられます。
アーリーリタイアを考えている方はぜひこの記事を参考にして下さい!
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