VTIで配当金生活はできる?VTIの配当利回りや手数料はどのくらい?VTIのメリットやデメリット、新NISAの活用などを初心者向けにわかりやすく解説します!
VTIとは
VTIは、CRSP US トータル・マーケット・インデックスという株価指数に連動するインデックス型のETFです。
S&P500やNASDAQ100などとは異なり、CRSPは米国市場全体を対象とした株価指数となっています。
VTIの特徴は、他のETFに比べてかなり多くの銘柄に投資をしている点で、VTIは米国市場の大型株から中小型株を含めた約4,000銘柄で構成されています。
VTIの分配金利回り
アメリカの大手情報サービス会社であるBloombergによると、2024年8月1日時点のVTIの分配金利回りは1.40%となっています。
これは、他の海外ETFと比べるとやや低い数値となっています。
VTIの配当金生活シミュレーション
続いて、VTIの分配金利回りを1.40%と仮定して、VTIの配当金生活のシミュレーションを行います。
なお、このシミュレーションでは利益に対する税金を考慮しないため、あくまで税引前で年間どれくらいの金額の分配金を得ることが出来るのかを検証します。
結果は以下の通りです。
投資金額 | 年間の分配金金額 |
100万円 | 1万4,000円 |
500万円 | 7万円 |
1,000万円 | 14万円 |
1,500万円 | 21万円 |
2,000万円 | 28万円 |
2,500万円 | 35万円 |
3,000万円 | 42万円 |
3,500万円 | 49万円 |
4,000万円 | 56万円 |
5,000万円 | 70万円 |
6,000万円 | 84万円 |
7,000万円 | 98万円 |
8,000万円 | 112万円 |
9,000万円 | 126万円 |
1億円 | 140万円 |
VTIの分配金のみでの生活は難しいか
シミュレーションの結果を考慮すると、VTIの分配金のみで生活していくことはかなり難しいと思われます。
ETFの分配金のみでの生活を目指すのであれば、他の高分配ETFを中心に投資をすることがおすすめされます。
ですが、高リターンなETFの場合は同時に高リスクである可能性もあるため注意が必要です。
VTIのメリット
リスク分散効果が特に高い
VTIのメリットは、やはりリスク分散効果にあります。
リスク分散とは、1つの資産だけに投資をするのではなく、様々な銘柄や業種、国の資産に分けて投資をすることを指します。
投資資金のすべてを1つの銘柄に投資した場合、もしその銘柄の価格が大幅に下落してしまうと大きな損失となってしまいます。
しかし、分散投資をすることでたとえ1つの銘柄の価格が急落しても、投資全体での損失を少なく抑えることが出来るのです。
そのため、投資をする上で分散投資を心がけることは非常に重要なこととなります。
VTIは米国市場の約4,000銘柄に投資をするETFですが、これは他の米国株ETFと比べてもかなりの銘柄数となっています。
実際、QYLDというETFは米国を代表する株式市場であるNASDAQ市場の時価総額上位100銘柄(金融セクターを除く)のみで構成されています。
このことから、VTIはリスク分散効果がかなり高いETFであると言えます。
経費率が低い
ETFに投資をする場合、運用期間中に経費(手数料)を支払う必要があります。
Bloombergによると、VTIの経費率は価格の0.03%となっており、これは他のETFと比較してもかなり低い水準となっています。
以下で、他の海外ETFの経費率の例を紹介しておきます(2024年8月1日時点)(Bloombergで算出された数値を使用しています)。
ETF | 経費率 |
QYLD | 0.61% |
PFF | 0.46% |
SPYD | 0.07% |
BND | 0.03% |
JEPI | 0.35% |
HDV | 0.08% |
VIG | 0.06% |
QQQ | 0.20% |
経費はETFの運用における利益に直接関係するものであるため、経費率が低いことは大きなメリットとなります。
VTIと同水準で経費率が低い他のETFについて詳しく知りたい方は以下の記事をどうぞ!
VTIのデメリット
分配金利回りが低い
VTIのデメリットとしては、分配金利回りが低いことが挙げられます。
VTIの分配金利回りは2024年8月1日時点で1.40%となっていますが、これは他の米国株ETFと比較すると低い水準となっています。
以下で、他の海外ETFの分配金利回りの例を紹介しておきます(2024年8月1日時点)(Bloombergで算出された数値を使用しています)。
ETF | 分配金利回り |
QYLD | 12.12% |
PFF | 6.08% |
SPYD | 4.52% |
BND | 3.65% |
JEPI | 6.04% |
HDV | 3.23% |
VIG | 1.90% |
QQQ | 0.65% |
このように、VTIは他の海外ETFと比較して分配金利回りがかなり低いことが分かります。特に、QYLDとは分配金利回りに約10%も差があります。
分配金利回りが特に高い他の海外ETFについて詳しく知りたい方は以下の記事をどうぞ!
少額投資が難しい
通常株式を購入する場合、最低売買単位(100株)以上を購入することになりますが、VTIの場合は1口から購入することが出来ます。
VTIの1口の価格は、Bloombergによると2024年8月1日時点で272.57米ドル(円換算※すると約4万954円)となっています。
これはつまり、VTIに投資をするためには最低でも約4万954円が必要になることを意味する(証券会社によって異なる場合あり)ため、通常少額での投資は難しいと考えられます。
※三井住友銀行のリアルタイム為替レート(2024年8月1日 午後3時35分 現在)のTTSレートに基づいて計算。
VTIのおすすめの活用方法
分配金利回りが高いETFと組み合わせる
VTIの特徴を簡潔にまとめると以下のようになります。
・経費率が低い代わりに、分配金が少ない
・リスク分散の効果が高い
VTIの懸念点としては、やはり分配金利回りの低さにあると考えられます。
そのため、おすすめの投資方法としては分配金利回りが高いETFも同時に購入することです。
こうすることで、受け取れる分配金も多くなり、また複数のETFに投資をすることでリスク分散の効果がより高まることが期待できます。
新NISAを利用する
新NISAとは、株式や投資信託の配当金・分配金や売却益が非課税になるという制度です。
通常の口座で投資を行った場合、配当金・分配金や売却益には20.315%が課税されます。しかし、新NISAを活用することでそれらが非課税となるため、新NISAは投資家にとって非常に便利な制度となっています。
新NISAはつみたて投資枠と成長投資枠に分かれており、それぞれで対象となる金融商品が異なります
新NISAでは、従来のNISAとは異なり非課税保有期間が無制限となったり、非課税保有限度額が増大するなど、投資家にとってより活用しやすい制度となっています。
VTIは、新NISAで購入することが可能となっているため、新NISAを活用することがおすすめされます。
コメント