ETFと投資信託は何が違うのか。そもそもETFとは何なのか。
この記事では、主にこの二つについて初心者向けにわかりやすく解説していきます!
投資信託とは何か?
ではまず、投資信託について解説していきます。
投資信託とは、簡単に言えば多数の投資家からお金を集めて、それを専門の会社(投資信託委託会社など)が投資に回して、得られた収益をそれぞれの投資家に配るという、いうなれば投資の商品なのです。
形としては、投資家(あなた)は自分が投資したい投資信託の銘柄(種類)を選び、その投資信託で選ばれている株や債券を実際に売買したりするのを専門の会社に任せる、という形です。
投資信託にはたくさんの商品があり、それぞれによって投資信託の中身(どの株に投資するのかなど)が変わります。
そのため、自分がどんな銘柄の株や債券に投資したいのかに応じて好きな投資信託を買うことが出来ます。
専門の会社というのは、具体的には、投資信託を販売する会社(販売会社=銀行など)や、お金の運用方法を指示する会社(投資信託委託会社)、実際に集めたお金で株や債券を買ったりする会社(投資信託会社)があります。
つまり、一般の投資との大きな違いは、自分で投資のあれこれを行うのではなく、運用を専門機関に任せるということなのです
投資信託について詳しく知りたい方は、こちらからどうぞ!
投資信託は「やめとけ」3つの理由!【初心者】デメリット・メリットを解説
ETFとは何か?
それでは次に、ETFとは何かについて解説していきます。
ETFとは、上場株式のみを取り扱う投資信託のことです。
一般的な投資信託は、株や債券など様々な銘柄(種類)の資産を選ぶことが出来ますが、ETFでは上場した株式のみとなっています。
これが、ETFと投資信託の違いです。
つまり、ETFは投資信託の一種なのです。
ETFと投資信託はどっちがいい?
それでは、ETFと投資信託ではどちらの方が良いのでしょうか。
項目別にそれぞれ比較したいと思います。
コスト(手数料)
ETFの方がコスト(手数料)は安いです。
投資信託の場合、投資信託を買ったときに支払う手数料(購入時手数料)、預けたお金などを管理してもらうことに対して支払う手数料(信託報酬)、そして投資信託を売ったとき(その時点で保有している株などを売って、現金化するとき)に支払う手数料(信託財産留保額)があります。
一方、ETFには、信託報酬しかありません。購入時手数料と信託財産留保額を支払う必要がないのです。
そのため、コスト面ではETFの方が優れています。
分配金の扱い
分配金とは、投資信託で運用する中で、例えば買った株を売った時などに発生した収益のことです。
投資信託の場合、分配金を再び投資に回す(分配金で追加で株などを買う)ことが出来ます。
そのため、最終的な収益がその分上がる可能性もあるのです。
一方、ETFでは、分配金をそのまま投資に回すことは出来ません。
このことから、分配金の面を含めた利益の面では、投資信託の方が良いでしょう。
種類
続いては、投資できる株などの種類です。
投資信託ではとても多くの種類の資産(株や債券、不動産など)に投資をすることが出来ます。
そして、これらは種類に応じてリスクやリターンが違います。
そのため、投資対象の多い投資信託では自分の目標に合った資産を選びやすくなります。
一方、ETFで投資できる資産の種類は少ないです。
なにしろ、ETFで投資できるのは上場した株式に限られています。
そのため、投資の柔軟性の面では投資信託の方が優れているでしょう。
注文方法
続いては、投資信託の注文方法です。
注文方法には主に2つの種類があります。
一つ目は、指値注文です。
指値注文とは、自分で買う値段を指定することが出来る注文方法です。
例えば、ある株を買いたいけど1500円以上のお金を出して買いたくない!と考えていたとします。このとき、指値注文で1500円と指定することで、1500円で取引が成立するのを待つことが出来るのです。
そのため、思ったよりも高い値段で買ってしまった!といったことがありません。
しかし、指値注文のデメリットとして、自分が指定した値段でそれを売ってくれる人が見つかるまで取引が成立しないため、時間がかかることが挙げられます。
二つ目は、成行注文です。
成行注文とは、自分で値段を指定せず、自分の買いたい銘柄(種類)だけを指定する注文方法です。
例えば、お金はいくらでも出すからとにかくこの株が欲しい!と考えていたとします。このとき、成行注文で注文することで、その時点で売りに出されているその株を値段関係なく買うことが出来るため、指値注文よりもよりスピーディーに取引を成立させることが出来ます。
しかし、このデメリットとして、値段を自分で指定できないため、そこで成立した取引での値段が思った以上に高かった!となってしまうことがあるということです。
さて、ここで投資信託とETFの話に戻りましょう。
投資信託の場合、こういった注文方法はありません。
投資信託を注文する場合、一日一回設定される基準価格によって、一株の値段が決められます。
そのため、基準価格が設定されるまで、いくらで買うのかが分からないのです。
一方、ETFの場合、指値注文と成行注文が出来ます。
この点から、ETFの方がより柔軟な買い方が出来ることが分かります。
リアルタイム価格での購入
最後は、リアルタイムでの価格での購入です。
先ほども説明した通り、投資信託を購入する際は一日に一回設定される基準価格での取引となります。
そのため、仮にその日の基準価格が設定される前に投資信託を注文するとき、その時点ではまだいくらでその投資信託を買えるのかが分からないのです。
一方、ETFの場合、株式と一緒で、価格は随時更新されるため、買うときにはリアルタイムでの価格をしっかり知った上で注文することが出来るのです。
この点では、ETFの方が優れていると言えます。
積立投資のしやすさ
積立投資とは、毎月決まった金額を少しづつ投資していくという方法のことです。
積立投資をすれば、比較的少ない金額で、長期間にわたって投資を続けやすくなります。
投資信託では、自動積立という仕組みもあり、自動積立をすれば自分がわざわざ改めて買わなくても毎月同じ銘柄の投資信託を買ってくれます。
一方で、ETFには自動積立はないため、積立投資を行うには毎月自分で買う必要があります。
また、ETFでは上場した株式に投資するのですが、株式には最低売買単位が100株と決められており、どういうことかというと「株式を買うときは一回に付き最低でも100株は買わなければならない」というもの(*例外あり)です。
そのため、積立投資で少額づつ投資したいと思ってても、最低でも100株を買わないといけないため、より多くの金額がかかってしまう可能性があります。
この点から、少額でじっくり投資をするという面においては投資信託の方が優れていると言えます。
*未満株という、最低1株から変える株もあります。→「単元未満株はやめとけ」デメリット7選【初心者】
結局どっちの方が良いのか?
ここまで、投資信託とETFを、様々な観点から比較してきました。
ですが、結局投資信託とETFではどちらの方が良いのでしょうか。
結論として、
低リスクで、少額づつじっくり投資をしたい人=初心者向け→投資信託
自分の好きな価格で、リアルタイムの取引をしたい人=中・上級者向け→ETF
投資信託では、少額から始めることも可能ですし、少額であればリスクも少ないので、初心者向けであると思います。
ETFは、比較的投資金額が大きくなってしまう上、ETFの売買を自分でリアルタイムで行う必要があるため、中・上級者向けであると思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、投資信託とETFの違いの解説と、様々な観点からの比較を行いました。
それぞれにメリット・デメリットはあると思いますので、ご自身の経験や目標を基に、どちらの方が向いているのかを確かめてください!
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